2015年 11月 26日
砂上のゴルフ |
現役時代、取引先との、あるいは社内外の個人的付き合いでずいぶん数多くゴルフをした。その割に腕前は上達しなかったが、プレーしたゴルフ場は勤務地だった関東、東海だけでなく北海道、東北(福島)、関西(兵庫、和歌山、滋賀)、北陸(石川)、中国(広島)、四国(愛媛)、九州(福岡、大分、宮崎)とほぼ全国にわたる。海外でも、韓国(済州島)、香港、シンガポール、マレーシア、インドネシア(バリ島、ジャカルタ)、イギリス、アメリカ、アラブでプレーした。
ここでのアラブとはUAE(アブダビ)、バーレン、カタールのことであるが、知られているとおりこれらは砂漠の国である。正確には、人間が住み日々活動している所は礫砂漠で、通常は“土漠”と称している。
1980年代、アラビア湾岸国で天然芝のゴルフ場を持つのはUAE(アラブ首長国連邦)のドバイだけであった。雨水にも地下水にも頼れないアラビア半島の国では、天然芝の維持管理に海水を浄化した大量の水が必要だからである。そのほかのアブダビ、バーレン、カタールのゴルフ場は、土漠に多少の手を加えて整備し、フェアウエーに見立てて石ころだらけのラフとの境としていた。
そのころカタールには、四つのゴルフ場があった。この地域の石油開発精製(カタール国営石油会社=QGPC)に関わっていた先人のイギリス人が、彼らのためのゴルフ場を持っていたが、1980年代にはカタール製鉄所(QASCO)や、カタール大学、浄水工場の建設のために進出した神戸製鋼や建設会社のフジタなども、社員の福祉のために自前のゴルフ場を造ったのである。そこでは、他社の駐在員や日本大使館の職員なども、自由にプレーすることができた。また、年に1回、神戸製鋼主催で行われるゴルフコンペには、ほとんどの日本人駐在員が参加していた。
アブダビやカタールの勤務時間は、夏季の炎暑に合わせて午前7時から午後2時迄である。それから帰宅して、昼食後一休みしてからゴルフに出かけることも出来る。フェアウェーでは50センチ(?)四方の人口芝のマットを各自帯同し、その上にボールを載せてショットすることができるが、ラフではそのままの状態でショットしなければならない。ボールは土漠にまみれて見失なわないよう朱色のものを使用する。人工芝のマットと朱色のボールは砂漠ゴルフの必需品ということになるが、これらはスポーツ用品店で売っている。砂漠の国ならではである。グリーンは文字通りの砂を油で固めたものである。グリーンならぬブラウンである。固めたと言っても、パットでボールを転がすと軌跡が”グリーン“上に残る。そのままでは後に続くプレーヤーは困るので、ホールアウト後にグリーン脇にいるインド人のキーパーがバーでグリーンを慣らしてくれることになっている。
ネットで最近の状況を調べたら、1993年にカタールでも天然芝の本格的な、ホテル併設のゴルフ場が出来ている。その名もDoha Golf Clubと言い、チャンピオンシップコース(7,312ヤード)としてカタールマスターズトーナメントが開催されている。世界第3位の天然ガス産出国になって財政が豊かになり、人口も急速に増えたことで、立派なゴルフ場を持つようになったのだろう。隔世の感である。
Doha Golf Club(YaLaH Qatarサイトより) ~ ~ ~ ~ ~ ~
ここでのアラブとはUAE(アブダビ)、バーレン、カタールのことであるが、知られているとおりこれらは砂漠の国である。正確には、人間が住み日々活動している所は礫砂漠で、通常は“土漠”と称している。
1980年代、アラビア湾岸国で天然芝のゴルフ場を持つのはUAE(アラブ首長国連邦)のドバイだけであった。雨水にも地下水にも頼れないアラビア半島の国では、天然芝の維持管理に海水を浄化した大量の水が必要だからである。そのほかのアブダビ、バーレン、カタールのゴルフ場は、土漠に多少の手を加えて整備し、フェアウエーに見立てて石ころだらけのラフとの境としていた。
そのころカタールには、四つのゴルフ場があった。この地域の石油開発精製(カタール国営石油会社=QGPC)に関わっていた先人のイギリス人が、彼らのためのゴルフ場を持っていたが、1980年代にはカタール製鉄所(QASCO)や、カタール大学、浄水工場の建設のために進出した神戸製鋼や建設会社のフジタなども、社員の福祉のために自前のゴルフ場を造ったのである。そこでは、他社の駐在員や日本大使館の職員なども、自由にプレーすることができた。また、年に1回、神戸製鋼主催で行われるゴルフコンペには、ほとんどの日本人駐在員が参加していた。
アブダビやカタールの勤務時間は、夏季の炎暑に合わせて午前7時から午後2時迄である。それから帰宅して、昼食後一休みしてからゴルフに出かけることも出来る。フェアウェーでは50センチ(?)四方の人口芝のマットを各自帯同し、その上にボールを載せてショットすることができるが、ラフではそのままの状態でショットしなければならない。ボールは土漠にまみれて見失なわないよう朱色のものを使用する。人工芝のマットと朱色のボールは砂漠ゴルフの必需品ということになるが、これらはスポーツ用品店で売っている。砂漠の国ならではである。グリーンは文字通りの砂を油で固めたものである。グリーンならぬブラウンである。固めたと言っても、パットでボールを転がすと軌跡が”グリーン“上に残る。そのままでは後に続くプレーヤーは困るので、ホールアウト後にグリーン脇にいるインド人のキーパーがバーでグリーンを慣らしてくれることになっている。
ネットで最近の状況を調べたら、1993年にカタールでも天然芝の本格的な、ホテル併設のゴルフ場が出来ている。その名もDoha Golf Clubと言い、チャンピオンシップコース(7,312ヤード)としてカタールマスターズトーナメントが開催されている。世界第3位の天然ガス産出国になって財政が豊かになり、人口も急速に増えたことで、立派なゴルフ場を持つようになったのだろう。隔世の感である。
by rakuseijin653
| 2015-11-26 08:00
| 雑記
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