2012年 06月 13日
原田正純氏が亡くなった |
水俣病の、「胎盤は毒性を通さない」という定説を覆し、原因究明に真正面から向かわず、患者に対して賠償から逃れようとする企業と国の不誠実さに対峙し、患者に寄り添い支援し続けたのが原田氏である。本来なら、社会の不条理と闘うことに人生をささげたこういう人こそ国は表彰するべきである。もちろん現実的には、対決し続けた国がそんなことをするはずもないし、原田氏も受けることはないだろう。世の中のある種の“矛盾”である。
それにしても思うのは、人間とは立場によってこうも冷淡、冷酷になれるものだ、ということである。当事者の企業、因果関係を否定し続けた学者はもちろん、歴代の総理大臣、厚生大臣、地元選出代議士、県知事などの政治家は、この悲惨な患者の命を救うために、そして問題解決のために50年間も、何をしただろうか。 水俣市が含まれる熊本2区からは大物議員が出ているが、彼らが、患者救済のために真剣に動いた形跡がない。同選挙区からは歴代、園田直、坂田道太、松野頼三らが出ている。細川護熙は知事を務めた。道路や橋の建設には熱心で、農業団体などの陳情には鉢巻をして政府に圧力をかける彼らは、水俣病患者を見捨ててきたのではないか。彼ら政治家が患者の命を正常な感覚で思っていたなら、かくも問題解決を長引かせることはありえない。実に冷酷なことである。
企業側にたって、工場排水が水俣病の原因ではないと言い続けた学者や政府の癒着体質は、原発ムラと同じ構図である。
それにしても思うのは、人間とは立場によってこうも冷淡、冷酷になれるものだ、ということである。当事者の企業、因果関係を否定し続けた学者はもちろん、歴代の総理大臣、厚生大臣、地元選出代議士、県知事などの政治家は、この悲惨な患者の命を救うために、そして問題解決のために50年間も、何をしただろうか。 水俣市が含まれる熊本2区からは大物議員が出ているが、彼らが、患者救済のために真剣に動いた形跡がない。同選挙区からは歴代、園田直、坂田道太、松野頼三らが出ている。細川護熙は知事を務めた。道路や橋の建設には熱心で、農業団体などの陳情には鉢巻をして政府に圧力をかける彼らは、水俣病患者を見捨ててきたのではないか。彼ら政治家が患者の命を正常な感覚で思っていたなら、かくも問題解決を長引かせることはありえない。実に冷酷なことである。
企業側にたって、工場排水が水俣病の原因ではないと言い続けた学者や政府の癒着体質は、原発ムラと同じ構図である。
by rakuseijin653
| 2012-06-13 11:47
| 不条理
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Comments(1)
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by
rakuseijin653 at 2012-06-23 11:13
「草も木も、みんな泣きよります」
石牟礼道子氏の友人が、原田氏の訃報を聞いて氏に語った言葉。
(朝日新聞・6月19日)
石牟礼道子氏の友人が、原田氏の訃報を聞いて氏に語った言葉。
(朝日新聞・6月19日)
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