2012年 07月 06日
領土問題・「立場」とは何たるや |
北方領土や尖閣諸島、竹島の領土問題で政府(首相、官房長官、外務大臣)は、「、、はわが国固有の領土であり」、「領土問題は存在しない」というのがわが国の一貫した「立場」と言う。
「立場」とは何ぞや。「立場」とは相手の「立場」との相関関係を言うのではないのか。それでは、国家としての厳然たる意志を表したことにならないだろう。中国は、「領土(尖閣)は国家の核心的利益である」と言い、ロシアは、「先の戦争で得たものである」と言い切っている。「立場」などと「相手の立場」を思った言い方はしていない。韓国も同じである。既に外交交渉以前の勝負で負けている。不思議なのは、誰もこの語法を問題にしないことである。文学者でさえも。
北方4島について、外務省のウエブサイトを見ても、4島はもともと日本の領土であるというわが国の主張とその正当性が書かれているだけで、わが国の主張に対してロシアは何と言っているのか、ロシアの主張は何で、かれらが言う正当性は何なのか、については何も書かれていない。これでは争点が全くわからない。メディアの報道も同じである。
わが方は、1855年の日露通好条約で「択捉島とウルップの間を国境とする」と確定していると言う。しかし、ロシアは最近、「4島は先の戦争で得たもの」と言い出した。このことは、4島がもともと日本の領土であったことは認めていることを意味する。ならば、歴史的にどっちの領土なのかが争点ではなく、戦争で領土を奪ったことに正当性があるのかないのかが争点にならなければならないはずである。これでは話が噛み合わないのは当然である。話が噛み合わないまま、ただいたずらに60年も浪費したのだろうか。
政治家や外交専門家がそんな無為なやり取りをしてきただけとは信じられないが、東郷元ロシア大使の雑誌投稿などを読むと、一体何をしてきたのだろうか、と思わざるを得ない。
彼は、2島先行返還論を批判し、一部政治家の強硬発言が交渉を停滞させているというが、4島返還について戦略や道筋を示しているわけではない。「それではどうしたらいいのか」ということについての考えはなく、自分はロシアとの関係をよくするために努力してきた、というような話をするだけである。自分が4島返還で相手を納得させるためにどのような交渉を行い、わが国のとるべき、どのような戦略を政府に進言したのか、という話はないのである。
1941年8月のソ連も参加した大西洋憲章で「戦争によって領土の拡大を求めない」方針を明かにした。
ソ連が千島列島に侵攻を始めたのは、1945年8月9日、北方四島を占領したのは29日から9月5日にかけてである。これは国際法上認められることなのか。なぜロシアの「戦争で得たもの」という主張がまかり通るのか。60年にわたり覆すことができなかったその既成事実は余りにも重い。
「立場」とは何ぞや。「立場」とは相手の「立場」との相関関係を言うのではないのか。それでは、国家としての厳然たる意志を表したことにならないだろう。中国は、「領土(尖閣)は国家の核心的利益である」と言い、ロシアは、「先の戦争で得たものである」と言い切っている。「立場」などと「相手の立場」を思った言い方はしていない。韓国も同じである。既に外交交渉以前の勝負で負けている。不思議なのは、誰もこの語法を問題にしないことである。文学者でさえも。
北方4島について、外務省のウエブサイトを見ても、4島はもともと日本の領土であるというわが国の主張とその正当性が書かれているだけで、わが国の主張に対してロシアは何と言っているのか、ロシアの主張は何で、かれらが言う正当性は何なのか、については何も書かれていない。これでは争点が全くわからない。メディアの報道も同じである。
わが方は、1855年の日露通好条約で「択捉島とウルップの間を国境とする」と確定していると言う。しかし、ロシアは最近、「4島は先の戦争で得たもの」と言い出した。このことは、4島がもともと日本の領土であったことは認めていることを意味する。ならば、歴史的にどっちの領土なのかが争点ではなく、戦争で領土を奪ったことに正当性があるのかないのかが争点にならなければならないはずである。これでは話が噛み合わないのは当然である。話が噛み合わないまま、ただいたずらに60年も浪費したのだろうか。
政治家や外交専門家がそんな無為なやり取りをしてきただけとは信じられないが、東郷元ロシア大使の雑誌投稿などを読むと、一体何をしてきたのだろうか、と思わざるを得ない。
彼は、2島先行返還論を批判し、一部政治家の強硬発言が交渉を停滞させているというが、4島返還について戦略や道筋を示しているわけではない。「それではどうしたらいいのか」ということについての考えはなく、自分はロシアとの関係をよくするために努力してきた、というような話をするだけである。自分が4島返還で相手を納得させるためにどのような交渉を行い、わが国のとるべき、どのような戦略を政府に進言したのか、という話はないのである。
1941年8月のソ連も参加した大西洋憲章で「戦争によって領土の拡大を求めない」方針を明かにした。
ソ連が千島列島に侵攻を始めたのは、1945年8月9日、北方四島を占領したのは29日から9月5日にかけてである。これは国際法上認められることなのか。なぜロシアの「戦争で得たもの」という主張がまかり通るのか。60年にわたり覆すことができなかったその既成事実は余りにも重い。
by rakuseijin653
| 2012-07-06 16:41
| 政治
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