2012年 08月 05日
ロンドンで英語が通じない―――アクセントの話 |
ロンドンでタクシーをつかまえて運転手に「Churchill Hotel」と言ったが通じなかった。3度ほど繰り返してようやく彼は「Oh! Churchill Hotel」と理解してくれた。
問題は、チャーの部分の日本語のチャーとの微妙な発音の違いではなく、アクセントにあった。冒頭のChurにほどほどにはアクセントをおいて発音したつもりでもQueen's Englishでは不十分なのだ。これが、多人種の集まりであるアメリカの都会のタクシーなら、通じないということはまずない。ニューヨークなどの大都市の運転手は移民が多いが、ロンドンのドライバーには、紳士の国の誇りが漂う。お上りさんには必ずしも優しくはない。旅人の妙なアクセントでも何とか理解してやろうという姿勢はあまりないようだ。この時は、数年前までロンドンに駐在していた同僚が一緒であったが、Queen's English からしばらく離れていた彼の発音でもアクセント不足であったのだ。
同じようなことがレストランでも起きた。「Potato Salad」が一回で通じないのである。これも[ta]にアクセントを置いて格好つけて発音したつもりなのだが。Po[ta(tei)]to と思いっきり強調して初めてウエイターは、「Oh! Potato Salad と分かってくれた。 タクシーの運転手にしても、レストランのウエイターにしても、ここはQueen's Englishの国だ、というプライドがあるように見える。
日本語のなかでも九州の言葉は平板な発音が多い。九州弁と言っても、7県で言葉とアクセントに多少の違いがある。中央に位置する熊本の言葉遣いを代表して言えば、神と紙、肩と型、牡蠣と柿、朝と麻を同じアクセントで平板に発する。
大学時代、ある教授がそこに九州人がいるとは知らず、「九州の人間は肩のことを型という」と軽蔑的に語ったことがある。もっとも彼は江戸っ子で、朝日新聞をアサシシンブンと言い、商品をヒョウヒンと発音して澄ましていたのだが。それはそれで東京の下町言葉として味があったのだが、最近はそのように発音する東京人はいなくなってしまった。淋しい気もする。
問題は、チャーの部分の日本語のチャーとの微妙な発音の違いではなく、アクセントにあった。冒頭のChurにほどほどにはアクセントをおいて発音したつもりでもQueen's Englishでは不十分なのだ。これが、多人種の集まりであるアメリカの都会のタクシーなら、通じないということはまずない。ニューヨークなどの大都市の運転手は移民が多いが、ロンドンのドライバーには、紳士の国の誇りが漂う。お上りさんには必ずしも優しくはない。旅人の妙なアクセントでも何とか理解してやろうという姿勢はあまりないようだ。この時は、数年前までロンドンに駐在していた同僚が一緒であったが、Queen's English からしばらく離れていた彼の発音でもアクセント不足であったのだ。
同じようなことがレストランでも起きた。「Potato Salad」が一回で通じないのである。これも[ta]にアクセントを置いて格好つけて発音したつもりなのだが。Po[ta(tei)]to と思いっきり強調して初めてウエイターは、「Oh! Potato Salad と分かってくれた。 タクシーの運転手にしても、レストランのウエイターにしても、ここはQueen's Englishの国だ、というプライドがあるように見える。
日本語のなかでも九州の言葉は平板な発音が多い。九州弁と言っても、7県で言葉とアクセントに多少の違いがある。中央に位置する熊本の言葉遣いを代表して言えば、神と紙、肩と型、牡蠣と柿、朝と麻を同じアクセントで平板に発する。
大学時代、ある教授がそこに九州人がいるとは知らず、「九州の人間は肩のことを型という」と軽蔑的に語ったことがある。もっとも彼は江戸っ子で、朝日新聞をアサシシンブンと言い、商品をヒョウヒンと発音して澄ましていたのだが。それはそれで東京の下町言葉として味があったのだが、最近はそのように発音する東京人はいなくなってしまった。淋しい気もする。
by rakuseijin653
| 2012-08-05 16:48
| 言語(力)
|
Comments(1)
Commented
by
rakuseijin653 at 2012-09-18 21:32
「ヒ」を「シ」と発音するのだから、「商品」は「ショウシン」になるはずですが、なぜか「ヒョウヒン」となるのです。「ヒ」を「シ」と発音してはいけないという意識が過剰になるからなのでしょうか。
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