2012年 10月 16日
「日本は植民地に良いこともした」と言うが、、、 |
保守系右派の政治家や右翼系の評論家は今でも日本が朝鮮を植民地にしたことを、「日本は良いこともした」と言って正当化しようとする。それらの発言が繰り返されるたびに、未来志向の日韓関係を築こうという話が元へ戻る原因になっている。
それがどれだけ相手を侮辱することになるか、こういう政治家や評論家は理解できないのだ。彼らは、相手の立場になって考えることができない。それは、国家国民の尊厳の問題だ。たとえ支配者が植民地においてどんなによいことをしても、国家の尊厳と置き換えることはできない。自分がそういう立場になったらどうなのか、想像できないのである。
それがどれだけ相手を侮辱することになるか、こういう政治家や評論家は理解できないのだ。彼らは、相手の立場になって考えることができない。それは、国家国民の尊厳の問題だ。たとえ支配者が植民地においてどんなによいことをしても、国家の尊厳と置き換えることはできない。自分がそういう立場になったらどうなのか、想像できないのである。
象徴的な事実は、日本による朝鮮総督府が、李氏王朝の景福宮と光化門の間に建てられたことである。日本で言えば、マッカーサー占領軍に、皇居の二重橋あたりに総司令部を建てられたのと同じである。もし占領軍にそのようなことをされたら、右翼ならずとも日本人は屈辱に耐えられないだろう。それともマッカーサーが良いことをしてくれれば構わないと言うのだろうか。そうではあるまい。1940年から3年住んだ日本海軍の基地、韓国鎮海ではその中心部が日本人居住区とされ、朝鮮人はその外周に住まわされていた。同じ海軍の町、横須賀で戦後占領軍に同じことをされたとしたら、日本人は屈辱と感じないのだろうか。
植民地時代、日本は当時の朝鮮人に対して皇民化教育を行い創氏改名政策により日本人と一体となることを求めた。麻生太郎は、「創氏改名は彼らが望んで行ったこと」と言った。植民地支配下にあって上手に生きていく手段として、中にはそういう者もいたであろう。それは問題の本質ではない。麻生は、日本の政治家の思考力がいかに浅薄であるかを世に示したと言える。
最近再燃している従軍慰安婦問題においても、「当時は朝鮮人は日本人と同じと見なされていたから、日本人を慰安婦にしたことと同じである、当時は日本でも慰安婦になる貧しい子女はいた、そういう時代であった」と言う者がいる。上智大学の渡部昇一元教授は1990年代から、「だから差別ではない」、そう主張している。彼には、日本が他民族の尊厳を傷つけたという認識が全くなく、その言いようがさらに相手を侮辱することになることが自覚できないのである。
そして植民地政策は当時の欧米列強もしていたことで、日本は欧米のアジア進出に対抗するために朝鮮を植民地にしたのであり、日本だけが非難されることではない、との主張も多い。それはその通りであるが、アジアを独占支配しようとする日本は、朝鮮の植民地化に続く満州建国、中国侵略と領土拡大を図った結果、米英との対立が不可避となり太平洋戦争へ突入して無残な敗北をした。世界のパワーゲームにおいては、「勝者が正義である」というのが現実だ。敗者となった日本の植民地政策の正当性が否定された以上、結果責任を問われる。国策を誤ったのだ。(つづく)
植民地時代、日本は当時の朝鮮人に対して皇民化教育を行い創氏改名政策により日本人と一体となることを求めた。麻生太郎は、「創氏改名は彼らが望んで行ったこと」と言った。植民地支配下にあって上手に生きていく手段として、中にはそういう者もいたであろう。それは問題の本質ではない。麻生は、日本の政治家の思考力がいかに浅薄であるかを世に示したと言える。
最近再燃している従軍慰安婦問題においても、「当時は朝鮮人は日本人と同じと見なされていたから、日本人を慰安婦にしたことと同じである、当時は日本でも慰安婦になる貧しい子女はいた、そういう時代であった」と言う者がいる。上智大学の渡部昇一元教授は1990年代から、「だから差別ではない」、そう主張している。彼には、日本が他民族の尊厳を傷つけたという認識が全くなく、その言いようがさらに相手を侮辱することになることが自覚できないのである。
そして植民地政策は当時の欧米列強もしていたことで、日本は欧米のアジア進出に対抗するために朝鮮を植民地にしたのであり、日本だけが非難されることではない、との主張も多い。それはその通りであるが、アジアを独占支配しようとする日本は、朝鮮の植民地化に続く満州建国、中国侵略と領土拡大を図った結果、米英との対立が不可避となり太平洋戦争へ突入して無残な敗北をした。世界のパワーゲームにおいては、「勝者が正義である」というのが現実だ。敗者となった日本の植民地政策の正当性が否定された以上、結果責任を問われる。国策を誤ったのだ。(つづく)
by rakuseijin653
| 2012-10-16 10:00
| 韓国・朝鮮・中国
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Comments(1)
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rakuseijin653 at 2018-01-14 11:38
水野直樹京大教授「創氏を徹底するためにとられた植民地支配当局の手法は、『自発性の強要』と名付けることができる。『自発性』の建前をとりつつ、当局の政策を押しつけるという手法である。その実態を無視するなら、創氏改名の意味を正しくとらえることはできない」(岩波新書「創氏改名」)
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