2013年 01月 24日
テールリスク |
テールリスク(tail risk)とは、発生頻度は低いが一度起きてしまうと巨大な損失をもたらすリスクをいう。東日本大震災に伴う100年に一度と言われる大津波による災害はこれにあたる。
今、国の財政は危機的水準にあり政策運営を間違えば、財政破綻に陥るリスクを抱えていることは間違いない。すでに国は、GDPの2倍を超える借金のなかで人口減、高齢化、医療費や年金など社会保障の増加、そして低成長経済に直面している。学者によってはその(破たん)時期を10年後くらいと予想する。そうなれば、敗戦による財政破たんから約80年、現在の国家財政破たんリスクが「テールリスク」と言われるゆえんである。
今回の政府と日銀による金融緩和に関する共同声明で、日銀は、政府の成長戦略が効をあげることを“前提”(岩本康志東大教授)に、2%の物価上昇を目標とする金融緩和策に同意した。実効ある経済成長がなければ、日銀の市場からの国債買い入れによって生まれた資金が企業や個人への貸出しにまわらず、結果的に現在の新発債発行枠(44兆円)を超えて行うという新たな財政支出をファイナンスすることにつながってしまうからである。それは国債の下落=長期金利の上昇を招き財政危機を深めることになる。現在でも既発債の借り換えと新発債の合計は毎年200兆円あり、金利が2%上昇すれば年間4兆円の金利負担増になる。消費税の2%分が吹っ飛ぶのだ。
成長戦略には規制緩和や法人税の減税、TPP参加が含まれなければならない。しかしこれらにはいずれも党内に根強い反対勢力がおり、それらをクリアーしていく胆力が首相にあるのかが問われる。成長戦略が絵に描いたモチになれば、金融緩和の効果もなく財政負担が積み増すだけだ。
いかに経済の成長を図るか四苦八苦しているときに、中国に喧嘩を吹っかけているヒマなどないのである。
1月22日の政府、日銀共同声明(一部)
「日本銀行は,今後,日本経済の競争力と成長力の強化に向けた幅広い主体の取り組みの進展に伴い,持続可能な物価の安定と整合的な物価上昇率が高まっていくと認識している。この認識に立って,日本銀行は,物価安定の目標を物価上昇率の前年比上昇率で2%とする。」
テールリスク:縦軸にリスクの発生頻度、横軸に損益をとった時、中央から左側(損失)の頻度の低い部分を「テール=尾」、右側(利益)の頻度の低い部分を「ヘッド=頭」と言う
出典(グラフ):日本銀行
今、国の財政は危機的水準にあり政策運営を間違えば、財政破綻に陥るリスクを抱えていることは間違いない。すでに国は、GDPの2倍を超える借金のなかで人口減、高齢化、医療費や年金など社会保障の増加、そして低成長経済に直面している。学者によってはその(破たん)時期を10年後くらいと予想する。そうなれば、敗戦による財政破たんから約80年、現在の国家財政破たんリスクが「テールリスク」と言われるゆえんである。
今回の政府と日銀による金融緩和に関する共同声明で、日銀は、政府の成長戦略が効をあげることを“前提”(岩本康志東大教授)に、2%の物価上昇を目標とする金融緩和策に同意した。実効ある経済成長がなければ、日銀の市場からの国債買い入れによって生まれた資金が企業や個人への貸出しにまわらず、結果的に現在の新発債発行枠(44兆円)を超えて行うという新たな財政支出をファイナンスすることにつながってしまうからである。それは国債の下落=長期金利の上昇を招き財政危機を深めることになる。現在でも既発債の借り換えと新発債の合計は毎年200兆円あり、金利が2%上昇すれば年間4兆円の金利負担増になる。消費税の2%分が吹っ飛ぶのだ。
成長戦略には規制緩和や法人税の減税、TPP参加が含まれなければならない。しかしこれらにはいずれも党内に根強い反対勢力がおり、それらをクリアーしていく胆力が首相にあるのかが問われる。成長戦略が絵に描いたモチになれば、金融緩和の効果もなく財政負担が積み増すだけだ。
いかに経済の成長を図るか四苦八苦しているときに、中国に喧嘩を吹っかけているヒマなどないのである。
1月22日の政府、日銀共同声明(一部)
「日本銀行は,今後,日本経済の競争力と成長力の強化に向けた幅広い主体の取り組みの進展に伴い,持続可能な物価の安定と整合的な物価上昇率が高まっていくと認識している。この認識に立って,日本銀行は,物価安定の目標を物価上昇率の前年比上昇率で2%とする。」
テールリスク:縦軸にリスクの発生頻度、横軸に損益をとった時、中央から左側(損失)の頻度の低い部分を「テール=尾」、右側(利益)の頻度の低い部分を「ヘッド=頭」と言う
by rakuseijin653
| 2013-01-24 20:25
| 政治
|
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